形あるものは必ず壊れる…
火災報知器の受信機盤もしかりです。
不具合が出ない限り更新することはないと思いますが、いざやってみるといろいろ考えなければならない点が出てきます。
今回は火報の受信機盤の更新の注意点についていくつか紹介したいと思います。
1.更新工事中の火災報知器は使用できない
当たり前の話なのですが、盤を入れ替えているときは未警戒になります。
ビルなどでは休館日にやればいいのですが、24時間稼働している建物等は調整が必要です。
さらに警戒区域(窓の数)が多い場合は配線工事だけでなく発報テストの期間も長くなります。
2~3日停止となるとはたしてオーナーは納得してくれるでしょうか。
2.消防申請について
工事前に消防への着工届が必要で、さらに消防の立ち合い検査もあります。
危険物施設などでは他の変更許可申請とセットになる場合もあり、事前に問い合わせしなければならないケースもでてきます。(なぜか市や消防担当者によって判断が異なる)
もちろん設置図や機器の図面等も準備しなければならない為、自分で申請する場合はそこそこの労力がかかります。
3.受信機盤の場所について
原則的には人がいるところ(防災センターなど)に設置されているはずなのですが、火災によって受信機盤が発報しても誰も気づかないんじゃ…って現場もあります。受信機盤を移動させるには各警戒区域へのケーブルを延長しなければならないのですが、せっかくの更新工事なので実際使えるように改善したいところです。
4.受信機盤の仕様変更について
受信機盤の寿命は20年位みたいですが、当時と現在では仕様が一部異なります。最近のものは音響停止のスイッチなどを押しても復旧忘れ防止のためか、勝手に解除されたり、移報遮断のやり方も昔のものとずいぶん変わってたりもします。事故防止のためにも必ず使用者に説明が必要です。
5.工事について
盤の入替えは電気工事士が実施しても、ケーブル接続は消防設備士でなければなりません。
しかも工期は短めとなるとなかなかの人件費となってしまいます。(両方できる人もいますが…)
最近自分が盤更新をして感じたのはこんなところです。ほとんど故障などによる急なケースが多いはずです。バタバタする前に計画的に更新してみてはどうでしょうか。