今回は単線結線図、略して「単結(たんけつ)」の見方を解説していきます。あまり専門的にならず、なんとなく読めるぐらいのレベルを目標に書いていきたいと思います。
簡単な単結の例を作ってみました。高圧受電を想定しています。6.6kVあるいは3.3kV受電が一般的かと思います。逆三角の記号がケーブルヘッドでそれより下が高圧盤です。
VDがVoltageDetectionの略で電圧検出器といいます。これが働いていると受電しているという状態です。
52というシーケンス番号がありますが、遮断器の事を表しています。一般的には高圧は真空遮断器であるVCBが用いられます。89は断路器で遮断能力はありません。高圧盤点検時などに開にし、一次側に短絡接地器具を取り付け安全処置をする際に使用します。
左下のマルが重なっている記号が変圧器です。マルのなかの記号により電源の種類が異なります。
左側が「単相三線式変圧器」です。一次側は高圧で一相分しか使用しませんが、二次側は家庭で使用するような100V、また一部のエアコンなどに使用する単相200V両方使用することができます。
そのとなりが「スターデルタ変圧器」です。3相の200Vあるいは400Vを使用することができます。こちらは主にモーターなどの3相動力に使用します。
右下にあるのがコンデンサーです。3相負荷を使用すると力率が悪くなるためコンデンサーにより改善します。
数字に四角で囲ってあるものが「保護継電器」です。変圧器などの負荷を保護するために使用します。図中の継電器を紹介します。
51:過電流継電器(OCR)で過電流が流れたときに動作しVCBを遮断させる。Gがつくと地絡を検知。
27:不足電圧継電器(UVR)で電圧のある、なしを判断する。この系統では発電機Gの始動のきっかけをつくる。
64:地絡過電圧継電器(OVGR)、系統の地絡過電圧をEVTなどを通じて検知する。単体では使われない
67:地絡方向継電器(DGR)、ZCTで検知する。64と組み合わせて地絡時にVCBを開放する。
84:過電圧継電器(OVR)、系統例では力率の進みすぎの際のコンデンサーの過電圧を防止する。
発電機周りの継電器は割愛しました。これくらいを覚えておけば単結を理解するのは問題ないと思います。
シーケンスの記事とあわせて読めばよく使うシーケンス番号は網羅できると思います。
電気設備は普段充電中なので実際に触る機会は限られています。なかなか独学で身につけるのは難しいので受変電点検時などに試験員に聞いてみたりして少しずつ覚えました。点検後の報告書も初心者には??だったりします。まだまだ勉強中のアルティメットですが、これからも紹介していきたいと思います。
1. ケーブルヘッドのシンボルの向きは逆では?
高圧ケーブルの端末処理を現すのでなく、高圧ケーブルの取り付け部を現すと解釈すべきなのでは?