今回は大事な話です。 モーターや電熱ヒーターなどのON、OFF制御にはシーケンス回路が使われています。記号を覚えれば簡単&メンテをやる上では重要なので基本の回路を紹介します。
制御の電源は2つの平行線です。
R0とS0に電圧がのっており、つながると回路が成立します。
今回は押ボタンスイッチにて88番リレースイッチを働かせます。
A接点とは普段は回路がオープンで動作するとつながりONになる接点です。
B接点は普段は回路がクローズで動作すると離れOFFになる接点です。
※E・・・という記号は押ボタンという意味
図のA接点の押ボタンスイッチをおすとR0とS0がつながり88のリレーコイルに電圧がかかり88が動作します。
しかしここで問題なのがA接点のスイッチは押ボタンのため、指を離すとOFFになってしまいます。モーターの制御で押しっぱなしというのはとても不便です。
その問題を解決するために下の回路では88コイルの動作と同時に働くA接点が追加されています。
動作の流れは
①ボタンを押す
②88コイルに通電される(モーターが回る)
③88と連動しているA接点が閉じる。
するとどうでしょうか?次の図を見てください。
なんとA接点の押ボタンスイッチがバイパスされ常に88コイルが通電されるようになりました。これで押ボタンから指を離してもモーターが回り続けます。
これが動作をし続ける自己保持回路といいます。
ちなみにこの回路を停止するには真ん中に位置するB接点の押しボタンを押せばR0S0がいったん切り離され88のコイルが停止します。
この回路を組めばON(A接点)、OFF(B接点)の2つのボタンでモーターを動作、停止させることができます。一番簡単なシーケンス制御といえます。
では具体的にはどのような回路が組まれているのでしょうか、一例をあげてみます。
左上に3φ200Vと書かれているのが電源です。これは主回路電源と呼び、その3本のうち2本右に出ているR0S0を制御電源と呼びます。この場合制御電源は単相200Vとなります。
モーターを動かすための電磁接触器88番を制御する回路で押ボタン2個によりモーターを制御します。
実際の回路では88が動作すると点灯するRL赤ランプ、停止中のGL緑ランプ、49というモーター保護装置(サーマルリレー)が働くと点灯するOLオレンジランプなどで構成されています。
(49のリセットボタンや電流計などは省略しています)
↑イメージではこんな具合、サーマルリレーで保護装置で電動機が壊れる前に停止させることができます。
なんとなくイメージはつきましたでしょうか?またの機会に掘り下げていきたいと思います。
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