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設備のマニアどっとこむ

IoT開発、設備・DIYのブログ!

制御盤の更新について

最近資格の話ばっかりだったのでたまには設備の記事を書きたいと思います。

会社は転々としてますが、設備の仕事をして10数年、ハードだった仕事のうちのひとつが”盤の更新”です。高低圧盤についていくつか経験したのでコツをご紹介したいと思います。

盤内の遮断器、がいしなどの絶縁物の寿命は、長くても25年ぐらいしかなく更新の話が出てきます。基本的には既設とまったく同仕様にすれば問題ないのですが、そう簡単ではないのです。

更新の流れとしては・・。

1.既設の盤の図面を手に入れる。

25年も昔の設備なので改造をしている可能性があります。最新版を手に入れて下さい。また、現場に図面がなければメーカーに問い合わせてみてください、製造番号、年式、顧客情報からメーカーからもらえる可能性があります。
まったく図面が手に入らない場合は諦めて既設盤の回路を調査して設計するしかありません。(超ハードなのでおすすめしませんが・・)

2.盤内部品のチェック

ブレーカ、マグネットスイッチ、盤面計器、VT、CTなどの部品を調べてください。ここで間違えなければ回路が違っても盤内配線の修正でなんとかなります。とにかく既設と新設の部品仕様はすべて同じでなくてはなりません。

3.盤の外部への回路調査

主にポンプなどの制御回路に多いのですが、外の回路へどのようにつながっているか調べる必要があります。例えば水位による自動起動、遠隔停止、警報、電流の外部出力などです。
盤の図面には載ってない場合があるので施工図などからケーブル単位で調べていって下さい。

4.新設盤図面のチェック

新たに手配した新設盤の図面が出来上がったら、中身のチェックです。寸法、色にはじまり、電動機容量、部品仕様などをすべてチェックします。最終的には既設のケーブルを新設の盤ではどこにつなぐのかはっきりさせる必要があります。

5.動作テスト

まずは新盤単体で工場検査、そして現場でケーブル工事後シーケンステストです。ここでちゃんと動くかは今までの下調べのでき具合できまります。シーケンスが良好なら、電動機の回転チェック、サーマルセット(過電流の設定値)のチェックを実施してください。


【よくある間違い】
更新後ケーブルがあまる。 →未使用ケーブルだったりするので調査する。
遊休のポンプだった。   →新設盤でいる、いらないを確認する
色がなんだかヘン     →社内基準がある会社もあるので事前にチェック


 現在、国内ではバブル期に大量に設備投資した盤が更新時期にきています。前例がなくて悩んでる現場の参考になれば幸いです。もしどうしようもならなそうなら・・・ 




相談のります!!!














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コメント

1. 質問

既設仕様と新設仕様は、同様とすることありますが、明確な理由をご教示願いたいです

Re:質問

>既設仕様と新設仕様は、同様とすることありますが、明確な理由をご教示願いたいです
コメントありがとうございます。盤のみの更新をする場合ケーブルや機器はそのままとなりますので機能的には同じ仕様にならないといけません。

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プロフィール

HN:
佐々木 雅史
性別:
男性
自己紹介:
2021年 ラズパイ、M5stackを用いたIoT開発を専門で受注するアルティメンテを設立。代表を務める。
・2020年ラズパイコンテスト優良賞受賞
・設備系資格多数(電験3種、消防設備士甲4、2級ボイラー技士、危険物乙4、電工2種、技術士補(電気・電子)、エネ電、フォークリフトなど)

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